海水ってなに?

海水魚にしろ無脊椎動物にしろ海物を飼育するのに必ず用意しなければならないのは海水ですね。なにも知らない人ならともかく、いきなり水と食塩を混ぜて海水とはいわないですよね。(これだと、だとただの食塩水ですからね)

ならば海水とはなにかといえば、そのままの意味で海の水の事です。なので当然、主な成分は水(H2O)となります。それでほんのちょっとだけ”海の”の成分である塩分が含まれています。

ではどのくらいの塩分がとけ込んでいるのかというと、外洋で1kgあたり約35gが溶け込んでいて、これを塩分35(パーミル)といいます。(いまではあまり使わないみたいですけど)

塩分が溶けていると書きましたが塩化ナトリウム(NaCl:塩)が35%溶け込んでいるわけではなく、いろんな無機質イオン(塩類)の集合体が溶け込んでいます。(だから食塩をと溶かしても海水にはなりません)

塩分の濃度は季節や場所で違いはあるのですが、はこの塩類の構成は比率はほとんど変わらないようです。(塩分濃度と比重

この塩類をもう少し詳しく見てみると、塩分35‰時の海水の主要成分は次のようになります。濃度の値に関しては、測定した場所や深度等の諸条件でいろいろと違うようですが、おおよそこんな値だと思ってください。(同じ塩分35‰ならそれ程大きく値は違いませんし、濃度の順位が変わることもありあません)

元素 濃度(g/kg)
塩素イオン Cl- 19.350
ナトリウムイオン Na+ 10.760
硫酸イオン SO42-  2.712
マグネシウムイオン Mg2+  1.294
カルシウムイオン Ca2+  0.412
カリウムイオン K+  0.399
炭酸水素イオン HCO32-  0.145
臭素イオン Br-  0.067
ストロンチウム Sr2+  0.0079
ホウ素 B3+  0.0046
フッ素 F+  0.0013

ここに上げた主要11イオンで、塩分35‰のほぼ99.99%以上を占めています。残りは0.01%j弱の中には沢山のイオンが少しずつ含まれています。(実はこの微量元素が結構無脊椎動物に必要だったりします)海の組成の主要元素はほとんど変わらないのですが微量元素になると、大変微量な元素を測定するため、場所や深度、温度などの条件で資料によっていろいろと違ったりします。(元素レベルの組成の一例はこちらで

成分やら、濃度やらの話をしてきましたが、海水魚を飼育する上では市販の人工海水の素で十分カバーできるようです。ただメーカによって色々な癖があります。また、人工海水に微量元素補給剤を使っているよりも天然海水をたまに混ぜているほうが全体的に調子が良かったりする気がしますので微量元素についてはどれだけ配合されているかは定かではありません。【あくまでも個人的な感覚です。それと、天然海水をくんでくる場合は、なるべく外洋のきれいな海水でないと逆効果になる可能性があるのでご注意を!】


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